
海外旅行は人生を豊かにする素晴らしい体験ですが、初めての方にとっては「何から始めればいいの?」と不安になることも多いでしょう。この記事では、外務省や日本政府観光局(JNTO)、航空会社などの公式情報に基づいて、海外旅行の計画から帰国まで、すべてのステップを詳しく解説します。
1. 旅行計画・準備段階

1.1 旅行先の安全確認
初めての海外旅行では、まず外務省海外安全ホームページで渡航先の安全情報を必ず確認しましょう。外務省では各国・地域の危険情報や感染症情報を随時更新しており、4段階の危険レベルで状況を提供しています。
安全確認のポイント
- 渡航中止勧告や渡航延期勧告が出ていないか
- 現地の治安状況・テロ情報
- 感染症情報・入国制限措置
- 自然災害のリスク
1.2 旅行先の選び方
外務省のビザ免除措置を参考に、初心者におすすめの渡航先を選択できます。
ビザ不要で渡航できる主要国・地域(外務省発表)
- 韓国:90日以内の滞在
- 台湾:90日以内の滞在
- シンガポール:30日以内の滞在
- タイ:30日以内の滞在(2024年より60日に延長予定)
- アメリカ:ESTA申請により90日以内の滞在
予算と地域の目安
- アジア:比較的安価で初心者におすすめ
- ヨーロッパ:中級者向け、文化的体験が豊富
- 北米:英語圏で安心、やや高予算
1.3 旅行期間とスケジューリング
理想的な旅行期間
- 初回は3〜5日程度がおすすめ
- 時差ボケを考慮し、最低でも2泊3日
- 長すぎると疲れるため、無理のない計画を
2. パスポート申請・ビザ手続き

2.1 パスポート申請手続き(外務省公式情報)
2025年3月24日より、全ての都道府県においてマイナポータルからのオンライン申請が可能になりました。
申請に必要な書類(外務省発表)
- 一般旅券発給申請書
- 戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)1通(申請日前6か月以内発行)
- 住民票の写し(申請日前6か月以内発行)
- 証明写真(45mm×35mm、6か月以内撮影)
- 身元確認書類(運転免許証など)
申請から受取まで
- 通常約1週間(土日祝除く)
- 急ぎの場合は緊急発給も可能(別料金)
- 受取は本人が直接窓口へ
有効期限の確認
- 残存期間が6か月以上必要な国が多い
- 査証欄の余白も確認
2.2 アメリカ渡航時のESTA申請
外務省によると、米国に短期商用・観光等の90日以内の滞在目的で旅行する場合、ビザは免除されますが、ESTA(電子渡航認証システム)の事前申請が必要です。
ESTA申請の重要事項
- 渡米日の72時間以上前の申請を強く推奨
- 申請料金:21米ドル(2025年9月30日より40米ドルに変更予定)
- 認証の有効期間:2年間(パスポート有効期限まで)
- 公式申請サイトでの申請が必須
3. 航空券・宿泊施設予約

3.1 航空券の種類と選び方
フルサービスキャリア(FSC)の特徴
- 機内食・飲み物・エンターテイメント込み
- 手荷物制限が緩い(ANA国際線:23kg、JAL国際線:23kg)
- 座席指定無料
- マイレージが貯まりやすい
格安航空会社(LCC)の特徴
- 基本運賃が安い
- 機内食・飲み物・座席指定は有料
- 手荷物制限が厳しい
- 遅延・欠航時の対応が限定的
3.2 航空券予約サイトの種類と特徴
比較サイト(メタサーチエンジン)
- スカイスキャナー:約1,200社の旅行サイトを比較、世界最大級の検索サイト
- エクスペディア:世界最大級の旅行予約サイト、航空券+ホテルの同時予約で割引
- 楽天トラベル:楽天ポイントが貯まる・使える、日本のサービス
航空会社公式サイト
- メリット:確実、変更・キャンセル対応が良い、マイレージが確実に貯まる
- デメリット:価格比較ができない
3.3 機内持ち込み・預け荷物の制限(ANA/JAL公式情報)
機内持ち込み手荷物(国際線)
- サイズ制限:55cm × 40cm × 25cm以内
- 重量制限:10kg以内(手荷物+身の回り品の合計)
- 個数制限:手荷物1個+身の回り品1個
預け荷物(国際線エコノミークラス)
- 重量制限:23kg以内(ANA/JAL共通)
- サイズ制限:3辺の和が158cm以内
- 禁止物品:リチウム電池、スプレー缶、刃物類
液体制限(機内持ち込み)
- 100ml以下の容器に入れる
- 1リットル以下の透明なプラスチック袋に収納
- 1人1袋まで
4. 出発前準備

4.1 海外旅行保険の重要性
外務省は「海外旅行保険には必ず加入しておくことをおすすめします」と明記しており、海外では日本の健康保険が使えないため全額自己負担となります。
保険の種類と選び方
- クレジットカード付帯保険:無料だが補償額が少ない場合が多い
- 単体の海外旅行保険:充実した補償、24時間日本語サポート
- ネット保険:比較的安価、手軽に加入可能
4.2 外貨両替・クレジットカード準備
外貨両替方法
- 銀行:安心感があるが手数料が高め
- 金券ショップ:レート良好、手数料安
- 空港:便利だがレート悪い
- 現地ATM:キャッシング機能利用
クレジットカード準備
- 2枚以上持参(VISA・MasterCard推奨)
- ICチップ付きカードが必須の地域も
- 海外利用手数料を事前確認
4.3 携帯電話・Wi-Fi環境準備
通信手段の選択肢
- 国際ローミング:手軽だが高額
- 海外用Wi-Fiレンタル:定額で安心
- 現地SIMカード:安価だが設定必要
- 無料Wi-Fi:費用ゼロだが制限あり
5. 出国・入国手続き

5.1 空港での流れ
出国手続き(成田・羽田空港例)
- チェックイン(出発2時間前推奨)
- オンラインチェックイン活用
- 座席指定・食事リクエスト
- 預け荷物の確認
- 保安検査場
- 液体物の確認(100ml制限)
- 電子機器の取り出し
- 金属探知機通過
- 出国審査
- パスポート・航空券提示
- 自動化ゲート利用可能
5.2 機内での過ごし方
快適な空の旅のコツ
- 服装:締め付けない楽な服装
- 乾燥対策:水分補給、保湿クリーム
- 時差ボケ対策:現地時間に合わせた睡眠
- エコノミークラス症候群予防:定期的に歩く
5.3 入国審査での注意点
入国審査での質問例
- 滞在目的:観光、商用など
- 滞在期間:具体的な日数
- 滞在場所:ホテル名・住所
- 帰りの航空券:復路便の確認
6. 現地での安全対策・楽しみ方

6.1 基本的な安全対策
貴重品の管理
- パスポートコピーを別保管
- 現金は分散して携帯
- ホテルのセーフティボックス活用
- 高価なアクセサリーは控える
緊急時の連絡先準備
- 現地の警察・救急・消防番号
- 日本領事館の連絡先
- 海外旅行保険会社の24時間窓口
6.2 交通機関の使い方
公共交通機関の活用
- 地下鉄・バス路線図を事前入手
- ICカード・一日券の購入
- 乗車方法・料金システムの確認
- ラッシュアワーの回避
7. 帰国準備・手続き

7.1 お土産選び・免税手続き
免税手続き(Tax Free)
- 最低購入金額の確認
- 免税書類の保管
- 空港での手続き
- パスポート・レシート・商品の準備
7.2 帰国時の注意点
日本への入国時
- 税関申告(20万円超の場合)
- 検疫(動植物・食品)
- パスポートの有効期限確認
まとめ
海外旅行は準備が重要です。外務省や航空会社の公式情報を参考に、しっかりと計画を立てて準備をすれば、初めての海外旅行も安心して楽しむことができます。
特に重要なのは、渡航先の安全情報の確認、適切な保険への加入、そして現地の文化や習慣を尊重することです。この完全ガイドを参考に、素晴らしい海外旅行をお楽しみください。
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公式参考サイト
この記事は外務省安全情報、JNTO統計データ、および各航空会社・旅行サイトの公式情報に基づいて作成されています(2025年9月時点)。最新の安全情報・料金は各公式サイトでご確認ください。