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那須高原の宿 山水閣 那須御用邸のそばで味わう昭和初期の風情と山里懐石の宿泊体験レビュー

那須高原の宿 山水閣

那須高原で伝統的な日本旅館の良さを感じられる宿を探していて、那須御用邸のすぐそばにある「那須高原の宿 山水閣」を選びました。実際に宿泊してみて、昭和初期から続く木造建築の風情ある佇まい、那須をふんだんに盛り込んだ滋味溢れる山里懐石、そして乃木大将も愛したとされる大丸温泉からの引き湯による丸くやわらかな温泉に大変感動しました。「普通の最高」を目指す那須に生えたような宿として、日本の伝統と良さを感じながら静かに過ごしたい方や、本物の日本料理と温泉を堪能したい方には特におすすめしたい、心から寛げる隠れ家的な宿です。

那須高原の宿 山水閣の基本情報

所在地:栃木県那須郡那須町湯本206
最寄り駅:JR東北新幹線「那須塩原駅」から関東バス約40分「山水閣入口」下車徒歩5分
アクセス:東北自動車道那須ICから県道17号線湯本方面へ約12km

山水閣は昭和初期から那須御用邸のすぐそばで営業している全13室の小さな温泉宿です。那須には勝手に伐採してはいけない森があり、その一角の日光国立公園自然保護区内という特別な立地にあります。昭和初期に建てられた木造建築は、時代とともに変わるお客様の快適さの基準に質実に時を重ねており、世界に類を見ない「日本旅館」の本質を大切にしています。13室ある客室は全て異なる間取りと設えで、客室専用風呂付き客室や二間客室など多様な選択肢が用意されています。無料駐車場も完備され、3日前までの予約で路線バスの利用サービス(500円)も提供されています。

実際の宿泊体験レポート

チェックイン~客室の印象

山水閣に到着すると、まず那須御用邸という特別な立地にある宿の雰囲気に圧倒されました。昭和初期の木造建築は、良きも悪きも紙一重で持ち合わせており、木枠の窓から少し隙間風があったり、鴨居が低かったり、階段が軋みを奏でたりと、これらを風情として感じられる素晴らしい建物でした。

琥珀色の落ち着いたロビーに足を踏み入れると、すぐさま心がドレスダウンしたくなる居心地の良さがありました。シックでありながら、自然と肩の力が抜ける座り心地の良いソファで、昭和初期から流れる宿の空気に自身も同化するような感覚を味わえました。

今回利用したのは専用風呂付きの客室で、日本の伝統とストレスのない日常が融合した非日常空間でした。障子を開けば那須の自然が目に飛び込み、誰かに自慢したくなる別荘にいるような感覚に浸ることができます。シックな調度品でまとめられたモダンな造りの寝室は心地よく、和室も広々としているため、リラックスして寛ぐには最適の環境でした。

館内の清掃は非常に行き届いており、部屋はもちろん、お風呂場もラウンジもお食事処も、とても気持ちよく過ごすことができました。

乃木大将も愛した大丸温泉の湯

山水閣の温泉は、かの乃木大将も愛したとされる大丸温泉からの引き湯で、那須御用邸と同じお湯を楽しむことができます。メタケイ酸を多く含む丸くやわらかな単純泉で、肌触りが非常に良く、温泉らしい優しさを感じることができました。

大浴場では檜風呂の香りとともに温泉を愉しむことができ、24時間入浴可能という贅沢さは何物にも代えがたいものでした。男湯・女湯は24時で入れ替わるため、滞在中に両方の浴場を楽しむことができます。お客様が少なかったこともあり、温泉を一人占めできる贅沢な時間を過ごせました。

より特別な時間を過ごしたい方には、予約制の貸切風呂もおすすめです。プライベートな時間を開放的なお風呂で過ごすことができ、那須の自然を眺めながらの入浴は格別でした。専用風呂付きの客室では、四季の移ろいを愉しみながら、陽射しにきらめく木々の緑を眺める贅沢な湯浴みを堪能できました。

那須をふんだんに盛り込んだ山里懐石

夕食は「季節を味わい 土地を味わう 過ぎない美食」をコンセプトにした山里懐石をいただきました。那須の大地が育んだ新鮮な食材を盛り込んだこの懐石料理は、まさに「那須を知ることができる土地の味」でした。

山里懐石の美味しさの秘密は、生産者が近くにいることです。那須では当たり前に美味しい食材の最高を引き出すために、最小限の手を加えるという料理哲学が貫かれています。素材本来の味である甘みと、丁寧に作られた出汁の旨みが、繊細かつやさしく口に広がる体験は忘れられません。

特に印象的だったのは、こんな山奥で新鮮な刺身を味わえることでした。魚料理の美味しさには本当に驚かされ、器にこだわり、素材を選び、料理を頂くのが楽しみになるほどでした。那須黒毛和牛も絶品で、料理の色合いや食感に合わせた器が、より一層お料理の良さを引き立てていました。

献立は月替わりなので、季節を変えて訪れても新しい発見があります。那須の卵の味噌漬けなど地元ならではの味も堪能でき、夕食後にはテーブルにおむすびが用意されているという心遣いにも感動しました。

心温まるおもてなしと館内施設

スタッフの皆さんの接客は素晴らしく、洗練されたさりげないサービスで、素晴らしい笑顔と丁寧な対応が印象的でした。「普通の最高」を目指すという宿の理念通り、派手さはないものの、心からのおもてなしを感じることができました。

湯上がりサロンでは、やさしい陽が注ぐ朝に淹れたてのコーヒーの香りが漂い、ソファーで寛ぎながら会話をゆったりと愉しめます。那須の美味しい水やビール・コーヒーのフリードリンクをセルフサービスで自由にいただけるのも嬉しいサービスでした。

アメニティにも配慮が行き届いており、シャンプー類や基礎化粧品には松山油脂の製品が使用されています。別館には「ラウンジ206」というバーもあり、山水閣とは異なる雰囲気で、自然を眺めながらマスターの作るカクテルを傾けることができます。

周辺観光とアクセス情報

山水閣は那須御用邸のすぐそばという特別な立地にあり、皇室ゆかりの清森亭へのプレミアムガイドウォークなど、特別な体験も可能です。那須高原の自然に包まれ、四季折々の景色を楽しみながら散策することができます。

電車でのアクセスは、JR東北新幹線那須塩原駅から関東バスで約40分、「山水閣入口」バス停下車徒歩5分です。3日前までの予約で、那須温泉にお泊まりのお客様限定で路線バスを1日1乗降500円でご利用いただけるサービスもあります。

車でのアクセスは、東北自動車道那須ICから県道17号線(那須街道)を湯本方面へ約12km、交差点一軒茶屋を直進し300m先を右折すると到着します。無料駐車場も完備されています。

温泉ランチ(山の懐石)も提供されており、昼の時間にランチと温泉が楽しめるプランも用意されています。

宿泊時の注意点と持参すべきもの

山水閣は全13室の小さな宿のため、特に週末や紅葉シーズンなどは早めの予約が必要です。昭和初期の建築のため、現代の快適さとは異なる部分もありますが、それを風情として楽しめる方におすすめです。

チェックイン時間は15:00~18:00、チェックアウト時間は10:30と、比較的ゆったりした時間設定になっています。貸切風呂は予約制のため、希望される場合は事前に相談することをおすすめします。

昭和初期の木造建築のため、木枠の窓から少し隙間風があったり、階段が軋んだりすることもありますが、これらも含めて日本の伝統建築の風情として楽しんでいただければと思います。

那須の自然を楽しめる立地のため、季節に応じた服装の準備も大切です。また、夕食後の庭園散策もおすすめなので、歩きやすい履物があると良いでしょう。

那須高原の宿 山水閣は、那須御用邸のすぐそばという特別な立地で、昭和初期から続く日本旅館の本質を感じながら、那須の自然と食材を存分に味わえる素晴らしい宿でした。「普通の最高」を目指すという理念通り、華美ではないけれど心からのおもてなしと、本物の日本の良さを体験したい方には心からおすすめしたい、那須に生えたような隠れ家的な温泉宿です。

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