
初めてのヨーロッパ一人旅で学んだこと
「ヨーロッパに一人で行くなんて怖くない?」
出発前、友達や親に何度も聞かれました。正直、私も不安でした。でも、実際に2週間のヨーロッパ一人旅から帰ってきた今、断言できます。
人生で一番成長できた2週間でした。
言葉が通じなくて困ったこと、道に迷って泣きそうになったこと、予想外の出会い、美しすぎる景色に感動したこと。すべてが今の私を作っています。
この記事では、私が2024年9月に実際に訪れた5カ国を、失敗談も含めて正直にお伝えします。ガイドブックには載っていない、リアルな一人旅の記録です。
なぜ私がヨーロッパを選んだのか
アジア一周もアメリカ横断も考えました。でも、ヨーロッパを選んだ理由は3つ:
1. 国境を越える感覚を味わいたかった
電車で3時間移動したら、言語も通貨も文化も違う国。これ、ヨーロッパでしか体験できません。
2. 鉄道旅に憧れていた
ユーレイルパスを握りしめて、窓から流れる景色を眺めながら次の国へ。映画みたいな旅がしたかった。
3. 歴史の教科書で見た場所を実際に見たい
ルーブル美術館、コロッセオ、ベルリンの壁。写真じゃなく、自分の目で見たかった。
旅の基本情報(私の場合)
航空券で大失敗した話
予算:往復12万円(直行便・羽田→ロンドン)
最初、「安く行きたい!」と思って、乗り継ぎ2回の格安チケット(6万円)を買いそうになりました。でも、先輩に「初めての一人旅なら直行便一択」と止められて、直行便に変更。
結果、大正解でした。帰りの便で、乗り継ぎ便を使った日本人旅行者に会ったんですが、「乗り継ぎで荷物がロストして大変だった」と。直行便の12万円は高いけど、安心料だと思えば納得です。
ユーレイルパスは本当にお得?
私が購入:2ヶ月有効・4日間分(約3万5千円)
正直に言います。私の場合、個別でチケット買った方が安かったです。
失敗の原因:
- 事前に具体的なルートを決めてなかった
- 結局LCC(格安航空)を多用した
- 高速列車は事前予約が必要で、パスだけでは乗れない
教訓: 先にルートを確定してから、パスが得か個別購入が得か計算すべきでした。
ベストシーズンは?私が9月を選んだ理由
9月中旬〜下旬に渡航
- 気温:15〜22度で過ごしやすい
- 観光客:夏休みシーズンが終わって少なめ
- 宿泊費:7〜8月より2〜3割安い
唯一の失敗:雨が多かった。ロンドンで3日間のうち2日が雨。折りたたみ傘、本気で必須です。
私が実際に訪れた5カ国の真実
1. イギリス(ロンドン)|滞在3日間・予算4万5千円

なぜ最初の国に選んだか
理由は単純。英語が通じるから。
海外一人旅の最初の国で、言葉が通じないのは不安すぎました。結果、ロンドンスタートは大正解。空港から市内への移動も、ホテルのチェックインも、すべてスムーズでした。
印象に残った体験
大英博物館で丸一日過ごしました。入場無料なのに、ロゼッタストーンもミイラも全部見られる。教科書で見た遺物が目の前にある感動は、今でも忘れられません。
夜、パブで一人ビールを飲んでいたら、隣に座っていたおじさんに話しかけられました。「一人旅か?いいね、若いうちに世界を見ておきな」と。拙い英語での会話でしたが、温かい気持ちになりました。
やらかした大失敗
地下鉄の「オイスターカード」を空港で買い忘れ、初日は毎回現金で切符購入。1日で交通費が3,000円オーバー。2日目にカードを買って、「昨日の無駄遣い...」と後悔しました。
もう一つ。ビッグベンを見に行ったら、修復工事中でシートがかかってました(2024年9月時点)。事前に調べておけば...。
リアルな予算内訳
- 宿泊:ホステルのドミトリー3泊(1泊3,500円×3=10,500円)
- 食費:1日3,000円×3日=9,000円
- 交通費:オイスターカード+失敗分(合計6,000円)
- 観光費:ロンドン塔、テムズ川クルーズなど(8,000円)
- その他:お土産、カフェ代など(12,000円)
- 合計:45,500円
2. フランス(パリ)|滞在4日間・予算6万円

ユーロスターでの移動が最高だった
ロンドンからパリまで、ユーロスター(高速列車)で約2時間20分。窓から見える田園風景がきれいで、「あ、今フランスに入った」という瞬間がわかりました。国境越えの実感、これがヨーロッパ鉄道旅の醍醐味です。
パリで感じた孤独と美しさ
正直に言います。パリは、5カ国の中で一番孤独を感じました。
カフェで一人座っていても、誰も話しかけてこない。レストランでは明らかに一人客が珍しそうに見られる。ロンドンのパブとは大違いでした。
でも、セーヌ川沿いを一人で歩いたときの夕暮れの美しさ。エッフェル塔のライトアップ。孤独だからこそ、景色に集中できた気がします。
ルーブル美術館での失敗
事前予約なしで行ったら、入場までに2時間待ち。しかも、館内が広すぎて、モナリザにたどり着くまでに疲れ果てました。
教訓:必ず事前予約。そして、見たいものを3つに絞る。
欲張って全部見ようとすると、結局何も記憶に残りません(実体験)。
言葉の壁で泣きそうになった話
メトロ(地下鉄)で切符の買い方がわからず、駅員さんに英語で聞いたら、フランス語で返答。全く理解できず、後ろに並んでいる人からの視線が痛い...。
結局、後ろに並んでいた親切な日本人旅行者が助けてくれました。一人旅でも、困ったときは助けてくれる人がいる。そう学んだ瞬間でした。
リアルな予算内訳
- 宿泊:ゲストハウス4泊(1泊4,000円×4=16,000円)
- 食費:1日4,000円×4日=16,000円(カフェ代含む)
- 交通費:メトロ1日券+ユーロスター(合計15,000円)
- 観光費:ルーブル、オルセー、エッフェル塔(10,000円)
- その他:3,000円
- 合計:60,000円
3. ドイツ(ベルリン)|滞在2日間・予算3万5千円

なぜベルリンを選んだか
歴史の教科書で「ベルリンの壁」を勉強したとき、「いつか実物を見たい」と思っていました。その夢を叶えるため、ベルリンを旅程に組み込みました。
ベルリンの壁で涙が止まらなかった
イーストサイド・ギャラリーで、壁に描かれたアート作品を見ていたとき、不意に涙が出ました。
「ここに壁があって、家族が分断されていたんだ」
歴史の重さを、肌で感じた瞬間でした。教科書の文字と、実際に目にする壁の重みは、全く違いました。
ビール1リットルに驚愕
ドイツといえばビール。レストランで「ビール」と注文したら、まさかの1リットルジョッキで出てきました。日本の中ジョッキの約2倍。
飲みきれず残してしまい、ウェイターに「飲めなかった?」と心配されました。次からは「Small beer, please」と伝えるようにしました。
宿泊先選びの大失敗
安さに惹かれて予約したホステルが、中央駅から徒歩40分の場所。Google Mapで見たときは「歩けるかな」と思ったけど、スーツケースを引いて40分は地獄でした。
到着したときには汗だく+疲労困憊。翌日、筋肉痛で観光どころじゃなかった...。
リアルな予算内訳
- 宿泊:ホステル2泊(1泊3,000円×2=6,000円)
- 食費:1日3,500円×2日=7,000円
- 交通費:パリ→ベルリンLCC+市内交通(12,000円)
- 観光費:博物館島、DDR博物館など(6,000円)
- その他:4,500円
- 合計:35,500円
4. イタリア(ローマ・フィレンツェ)|滞在5日間・予算7万円

イタリアで「食」の幸せを知った
5カ国の中で、一番食事が美味しかったのがイタリア。本場のカルボナーラ、マルゲリータピザ、ジェラート...。毎食が感動でした。
ローマの小さなトラットリアで食べたパスタ(8ユーロ=約1,200円)が、人生で一番美味しいパスタでした。「本場ってこういうことか」と実感。
コロッセオで歴史を体感
ローマに着いた初日、コロッセオを見た瞬間、「でかっ!」と声が出ました。写真で見るのと、実際に目の前に立つのは全然違う。
中に入って、闘技場の中央に立ったとき、「ここで剣闘士が戦ってたんだ」と想像したら、鳥肌が立ちました。
スリ未遂事件
ローマのテルミニ駅で、リュックのチャックを開けられかけました。気づいたのは、後ろにいた旅行者が「Hey!」と叫んでくれたから。
それ以降、リュックは必ず前に抱える、貴重品はポケットに入れない、を徹底しました。イタリアは本当にスリが多い。油断禁物です。
フィレンツェでの予約ミス
ウフィツィ美術館のチケットを「今日の分」と思って買ったら、実は「明日の分」を買っていた。当日券は完売で入れず...。
結局、翌日に予定を変更して入館しましたが、旅程が狂いました。予約画面の日付確認、本当に大事です。
リアルな予算内訳
- 宿泊:ローマ3泊+フィレンツェ2泊(平均1泊5,000円×5=25,000円)
- 食費:1日4,500円×5日=22,500円(美味しすぎて予算オーバー)
- 交通費:ベルリン→ローマLCC+高速鉄道(15,000円)
- 観光費:コロッセオ、バチカン、ウフィツィなど(12,000円)
- その他:お土産など(5,500円)
- 合計:70,000円
5. オランダ(アムステルダム)|滞在2日間・予算4万円

最後の国に選んだ理由
正直、最初の計画にアムステルダムは入っていませんでした。でも、「ゴッホの絵を実物で見たい」と思い、急遽追加。結果、追加して大正解でした。
運河の街で癒された
2週間の旅の疲れがピークだったとき、アムステルダムの運河をボーッと眺めているだけで癒されました。
自転車が走り、運河に浮かぶボート、カフェでコーヒーを飲む人々。この街の空気感が、すごく心地よかった。
ゴッホ美術館で号泣
「ひまわり」の実物を見た瞬間、涙が止まりませんでした。
なぜ泣いたのか、自分でもよくわかりません。絵の美しさ、旅の疲れ、2週間の感動、すべてが混ざって溢れ出した感じでした。
自転車レンタルで事故りかけた
「アムステルダムは自転車の街」と聞いて、レンタサイクルに挑戦。ところが、自転車専用レーンの交通量が半端なく、怖くて漕げない...。
後ろから「Ring ring!」とベルを鳴らされまくり、焦って縁石に乗り上げて転倒しかけました。結局30分で諦めて、徒歩観光に切り替え。
自転車文化に慣れてない人は、無理せず徒歩が安全です。
最後の夜の孤独と達成感
最終日の夜、ホテルの部屋で2週間を振り返りました。
道に迷ったこと、言葉が通じなくて困ったこと、美しい景色に感動したこと、優しい人に助けられたこと。
「2週間、よく一人で頑張ったな」と自分を褒めたくなりました。一人旅の最後の夜は、達成感と寂しさが入り混じる、不思議な気持ちでした。
リアルな予算内訳
- 宿泊:ゲストハウス2泊(1泊4,500円×2=9,000円)
- 食費:1日3,500円×2日=7,000円
- 交通費:フィレンツェ→アムステルダムLCC+市内(13,000円)
- 観光費:ゴッホ美術館、運河クルーズなど(8,000円)
- その他:3,000円
- 合計:40,000円
私の14日間周遊ルート(実際の旅程)
Day 1-3: ロンドン(イギリス)
- 羽田→ヒースロー空港(直行便12時間)
- 時差ボケと戦いながら市内観光
- 大英博物館で1日つぶす
Day 4: 移動日(ロンドン→パリ)
- ユーロスターで2時間20分
- パリ到着後、セーヌ川散策
Day 5-8: パリ(フランス)
- ルーブル、オルセー、エッフェル塔
- カフェで読書(フランス語わからず孤独を噛み締める)
Day 9-10: ベルリン(ドイツ)
- パリ→ベルリンLCC(2時間)
- ベルリンの壁、博物館島
Day 11-15: ローマ&フィレンツェ(イタリア)
- ベルリン→ローマLCC(2時間半)
- ローマ3日、フィレンツェ2日
- 食べまくって幸せ
Day 16-17: アムステルダム(オランダ)
- フィレンツェ→アムステルダムLCC(2時間)
- ゴッホ美術館で号泣
- 最終日、お土産爆買い
Day 18: 帰国
- アムステルダム→羽田(直行便11時間)
- 機内で爆睡
2週間の総予算:38万円(内訳)
航空券(往復):12万円
- 羽田⇔ロンドン直行便
現地交通費:7万円
- ユーロスター、LCC、市内交通など
- ユーレイルパス(3万5千円)は失敗
宿泊費:7万円
- ホステル・ゲストハウス中心
- 平均1泊4,000円×17泊
食費:6万5千円
- 1日平均3,500円
- イタリアで予算オーバー(美味しすぎた)
観光費:4万5千円
- 美術館、博物館、アクティビティ
その他:1万円
- SIM カード、緊急タクシー代など
合計:38万円
失敗から学んだ7つの教訓
1. 予約は全部事前に。当日券は地獄
ルーブル美術館の2時間待ち、ウフィツィの予約ミス。これらはすべて「事前予約してれば防げた」失敗です。
人気観光地は必ず事前予約。これだけで旅のストレスが半減します。
2. 宿泊先は「駅から徒歩10分以内」が鉄則
ベルリンでの徒歩40分の悪夢から学びました。1泊1,000円安くても、アクセスが悪いと時間とエネルギーを浪費します。
駅近>値段です。
3. スマホは命綱。モバイルバッテリー必須
パリで道に迷ったとき、スマホのバッテリーが10%。充電できる場所を探すだけで30分ロス。
モバイルバッテリー(10,000mAh以上)は絶対持参してください。
4. 貴重品管理は神経質すぎるくらいでちょうどいい
ローマでのスリ未遂。あのとき助けてくれた旅行者がいなかったら、財布を盗まれていました。
リュックは前、パスポートは分散、現金は必要最低限。
5. 英語が通じない前提で準備する
パリでは英語がほぼ通じず。Google翻訳のスクリーンショット機能(オフラインでも使える)が本当に役立ちました。
基本フレーズは現地語で覚えておくと、現地の人の反応が全然違います。
6. 一人飯は「カウンター席がある店」を選ぶ
テーブル席で一人は、想像以上に孤独です。カウンター席なら、店の人や隣の客と自然に会話できます。
特にイタリアのトラットリアは、カウンターがおすすめ。
7. 完璧な計画より、柔軟性
ウフィツィ美術館の予約ミスで、1日予定が狂いました。でも、その日にフィレンツェの裏路地を歩いて、素敵なカフェを見つけました。
計画通りにいかないのも、一人旅の醍醐味です。
一人旅で人生観が変わった
2週間のヨーロッパ一人旅を終えて、明らかに変わったことがあります。
「一人でも大丈夫」という自信。
道に迷っても、言葉が通じなくても、なんとかなる。困ったら誰かが助けてくれる。この経験は、日常生活でも活きています。
「世界は広い」という実感。
日本での悩みや不安が、すごくちっぽけに思えました。世界にはこんなに広い場所があって、違う価値観で生きている人がいる。そう知れただけで、視野が広がりました。
「また一人で旅に出たい」という欲望。
帰国して1週間後、もう次の一人旅を計画していました。中毒性があります、一人旅。
これからヨーロッパ一人旅に行く人へ
不安?当然です。私も出発前は不安で仕方ありませんでした。
でも、行ってしまえばなんとかなります。失敗しても、それが思い出になります。
完璧な英語は必要ありません。私もカタコト英語+ジェスチャーで乗り切りました。
大事なのは、「行く」と決めること。
あなたのヨーロッパ一人旅が、素晴らしい経験になることを願っています。
この記事は、私が2024年9月に実際に体験したヨーロッパ一人旅の記録です。予算や情報は当時のものです。最新情報は各施設の公式サイトでご確認ください。