
静岡県伊豆半島は、世界で唯一の「本わさび」栽培発祥の地です。約400年前から続く伊豆の清流で育つ本わさびは、市販のチューブわさびとは全く異なる上品な香りと深い味わいが特徴。美しいわさび田の風景を眺めながら、究極の本わさび体験を楽しむ、大人の静岡旅行に出かけませんか?
本わさびとは?知っておきたい基礎知識
本わさび(ワサビア・ジャポニカ)は、日本原産の植物で、世界中で静岡県の伊豆半島でのみ商業栽培が成功している貴重な食材です。清流の冷たい水と適度な日陰、一定の温度条件が揃った場所でしか育たない「幻の植物」とも呼ばれています。
本わさびの特徴
- 栽培期間:収穫まで約2年の歳月が必要
- 栽培条件:水温8-18℃の清流、豊富な湧水
- 風味:爽やかな香りと上品な辛味、後味の甘み
- 栄養価:抗菌作用、消化促進効果、ビタミンC豊富
チューブわさびとの違い
- 原料:本わさび100% vs ホースラディッシュ(西洋わさび)主体
- 香り:揮発性の芳香成分が豊富 vs 人工香料
- 辛味:まろやかで上品 vs 刺激的で直線的
- 価格:本わさび1本1,000-3,000円 vs チューブ100-200円
【必見】わさび田見学・体験スポット
1. 伊豆わさびミュージアム
わさび文化の全てが学べる拠点
- 住所:静岡県伊豆市湯ケ島1325-1
- 営業時間:9:00-16:30(年中無休)
- 入場料:大人500円、小中学生300円
- 電話:0558-85-0186
- URL:https://www.izu-wasabi-museum.com/
体験メニュー:
- わさび田見学ツアー(30分・無料):職人による栽培解説
- わさびすり体験(15分・500円):本物のサメ皮おろし使用
- わさび収穫体験(季節限定・1,500円):自分で収穫したわさび持帰り
見どころ:江戸時代から続く伝統的な畳石式栽培法、わさびの成長過程、職人技の実演
2. 筏場のわさび田(伊豆市)
日本最大級のわさび田群落
- 住所:静岡県伊豆市筏場
- 見学時間:8:00-17:00(自由見学)
- 入場料:無料
- アクセス:修善寺駅からバス30分「筏場」下車
- 特徴:棚田状に広がる美しいわさび田、写真撮影スポット
3. かどや本店 わさび園
老舗わさび屋直営の体験施設
- 住所:静岡県伊豆市湯ケ島1624-1
- 営業時間:8:30-17:00
- 体験料:わさびすり体験 800円、わさび漬け作り 1,200円
- 電話:0558-85-0033
- 特徴:創業120年の老舗、わさび商品の試食も豊富
4. 天城湯ヶ島温泉 わさびの郷
- 住所:静岡県伊豆市湯ケ島2-4-8
- 営業時間:9:00-16:00(水曜定休)
- 体験内容:わさび田散策、わさび料理教室(要予約2,500円)
- 電話:0558-85-1056
【グルメ】本わさびを味わう名店ガイド
1. そば処「嵯峨沢館」
本わさびそばの名店
- 住所:静岡県伊豆市湯ケ島1878-1
- 営業時間:11:00-15:00(木曜定休)
- 電話:0558-85-0342
- おすすめメニュー:
- わさびそば(1,400円):すりたて本わさび付き
- 天わさびそば(1,800円):地元野菜の天ぷら付き
- わさび御膳(2,200円):そば、わさび丼、小鉢付き
特徴:創業60年、地元産そば粉使用、わさびは注文後にすりおろし
2. 料亭「あさば」
本わさび懐石の最高峰
- 住所:静岡県伊豆市湯ケ島3450-1
- 営業時間:昼席12:00-14:00、夜席18:00-21:00(要予約)
- 電話:0558-85-0011
- 料金:昼懐石 8,000円〜、夜懐石 15,000円〜
- URL:https://asaba-ryokan.com/
特徴:創業500年の老舗旅館、わさびを使った創作懐石料理
3. わさび茶屋「静岡茶房」
カジュアルなわさびグルメ
- 住所:静岡県伊豆市湯ケ島1630-5
- 営業時間:10:00-16:00(火曜定休)
- 電話:0558-85-1189
- 人気メニュー:
- わさび丼(1,200円):削りたてわさびとかつお節
- わさびラーメン(900円):地元話題のB級グルメ
- わさびソフトクリーム(350円):意外にマッチする爽やか味
4. 農家レストラン「わさびの花」
地産地消の本格派
- 住所:静岡県伊豆市筏場1153-1
- 営業時間:11:00-15:00(月曜定休)
- 電話:0558-83-2831
- 名物:
- わさび田育ち豚のしゃぶしゃぶ(2,800円)
- わさび葉のおひたし(600円)
- 手作りわさび豆腐(800円)
【ショッピング】本わさび・わさび加工品購入スポット
1. 道の駅「天城越え」
- 住所:静岡県伊豆市湯ケ島892-6
- 営業時間:8:30-16:30
- 電話:0558-85-1110
- おすすめ商品:
- 生わさび(1本2,000円〜):産地直送、鮮度抜群
- わさび漬け(800円):伝統の酒粕漬け
- わさび塩(500円):天ぷらや焼魚に最適
- わさびチョコレート(600円):人気のお土産品
2. 修善寺物産センター
- 住所:静岡県伊豆市修善寺838-1
- 営業時間:9:00-17:00
- アクセス:修善寺駅から徒歩3分
- URL:https://shuzenji-bussan.com/
3. 田丸屋本店(静岡市)
わさび漬け発祥の老舗
- 住所:静岡県静岡市葵区紺屋町6-7
- 営業時間:9:00-19:00
- 電話:054-254-7070
- 名物商品:
- 元祖わさび漬け(1,080円):140年の伝統レシピ
- 高級わさび漬け(2,160円):本わさび100%使用
- URL:https://www.tamaruya.co.jp/
【宿泊】わさびの里周辺おすすめ宿
1. あさば(老舗高級旅館)
- 住所:静岡県伊豆市湯ケ島3450-1
- 料金:50,000円〜/泊(2食付き)
- 特徴:わさび懐石、源泉掛け流し温泉
- URL:https://asaba-ryokan.com/
2. 湯ケ島温泉「白壁荘」
- 住所:静岡県伊豆市湯ケ島1656
- 料金:12,000円〜/泊(2食付き)
- 電話:0558-85-0259
- 特徴:わさび料理プラン有り、家庭的な雰囲気
3. 修善寺温泉「湯回廊 菊屋」
- 住所:静岡県伊豆市修善寺874-1
- 料金:18,000円〜/泊
- 電話:0558-72-2000
- URL:https://www.kikuya.co.jp/
【周辺観光】わさび田と合わせて楽しむスポット
1. 修善寺温泉
伊豆最古の温泉地
- 住所:静岡県伊豆市修善寺
- 見どころ:竹林の小径、修禅寺、独鈷の湯
- アクセス:わさび田から車で20分
2. 浄蓮の滝
日本の滝百選
- 住所:静岡県伊豆市湯ケ島892-14
- 高さ:25m
- アクセス:わさび田から車で15分
- 特徴:わさびの自生地でもある
3. 天城山ハイキング
- コース:天城高原〜万二郎岳(往復4時間)
- 難易度:中級者向け
- ベストシーズン:5-10月
- 見どころ:ブナ林、高山植物
【旅行プラン】本わさび体験旅 1泊2日モデルコース
1日目:わさび田見学・体験メイン
10:00 東京から踊り子号で修善寺駅到着
10:30 レンタカーでわさびの里へ移動
11:30 伊豆わさびミュージアムでわさび田見学・すり体験
13:00 そば処「嵯峨沢館」でわさびそばランチ
15:00 筏場のわさび田散策・写真撮影
16:30 かどや本店でわさび漬け作り体験・お土産購入
18:00 湯ケ島温泉の宿にチェックイン
19:30 宿でわさび会席ディナー
2日目:温泉・自然散策・グルメ
8:00 宿で朝食・チェックアウト
9:30 浄蓮の滝見学・散策
11:00 わさび茶屋「静岡茶房」でわさびソフト
12:30 農家レストラン「わさびの花」で昼食
14:00 修善寺温泉街散策・竹林の小径
15:30 道の駅「天城越え」でお土産購入
16:30 修善寺駅から東京へ帰路
【本わさび活用術】家庭でも楽しむ極上の味わい方
正しいすり方のコツ
- おろし器選び:サメ皮が最高、セラミック製も可
- すり方向:円を描くようにゆっくりと
- すり加減:粗めより細かめの方が香りが立つ
- タイミング:食べる直前にすりおろす
おすすめの食べ方
- 刺身:醤油に少量溶かして
- ステーキ:岩塩と合わせて
- そば・うどん:つゆに直接入れずに別添えで
- 天ぷら:天つゆに加えて上品な味わいに
- おにぎり:わさび醤油を海苔に塗って
保存方法
- 冷蔵保存:濡れたキッチンペーパーで包み野菜室へ
- 保存期間:約1ヶ月(香りは1週間がピーク)
- 冷凍保存:すりおろして小分け冷凍(3ヶ月保存可)
【わさび豆知識】もっと深く知りたい本わさびの世界
わさび栽培の歴史
- 江戸時代:徳川家康が駿河に移った際に栽培開始
- 明治時代:全国に広まるも、伊豆以外では栽培困難
- 現代:世界中で栽培研究されるも、商業レベルは伊豆のみ
わさび田の仕組み(畳石式栽培法)
- 湧水導入:山からの清流を田んぼに引き込み
- 石組み:大小の石を重ね、水の流れを調整
- 遮光:適度な日陰を作り、直射日光から保護
- 温度管理:年間通して水温を一定に保持
わさびの部位と活用法
- 根茎:一般的なすりわさび部分、最も価値が高い
- 葉:おひたし、天ぷら、醤油漬けに
- 花:春の山菜として珍重、上品な辛味
- 茎:細かく刻んで薬味として使用
【旅行Tips】本わさび体験旅を成功させるコツ
ベストシーズン
- 春(3-5月):わさびの花が咲く季節、最も美しい
- 夏(6-8月):青々とした葉が茂り、涼感たっぷり
- 秋(9-11月):収穫シーズン、体験プログラムが豊富
- 冬(12-2月):観光客少なめ、ゆっくり見学できる
体験予約のポイント
- 収穫体験:10-12月がメインシーズン、要早期予約
- 平日推奨:農家さんとじっくり話せる
- 午前中がベスト:わさびが最も新鮮な時間帯
持参すると便利なもの
- クーラーボックス:生わさび購入時の保冷用
- 長靴:わさび田見学時(レンタルも有り)
- タオル:手拭き用、わさび体験で手が濡れる
- カメラ:美しいわさび田の風景は必見
お土産選びのコツ
- 生わさび:帰宅日に購入、当日中に冷蔵庫へ
- わさび漬け:老舗の伝統品がおすすめ
- わさび加工品:珍しいものは話題性抜群
- 予算目安:生わさび2,000円、加工品500-1,500円
交通アクセス情報
- 電車:JR踊り子号で東京-修善寺 約2時間
- 車:東名高速-新東名高速経由 約2.5時間
- バス:修善寺駅からわさび田まで約30分
- レンタカー:修善寺駅前に複数業者有り
まとめ:本わさびで味わう日本の原風景
静岡県伊豆半島の本わさび体験は、日本の食文化の奥深さと自然の恵みの素晴らしさを同時に感じられる特別な旅となります。400年以上続く伝統の栽培技術、清流が作り出す美しい田園風景、そして何より本物の本わさびが持つ上品で深い味わいは、一度体験すると忘れることのできない感動をもたらしてくれるでしょう。
市販のチューブわさびしか知らなかった人には、まさに「わさび観」が変わる衝撃的な体験となるはずです。すりたての本わさびが持つ爽やかな香りと繊細な辛味、そして後に残る上品な甘みは、「本物」の価値を教えてくれます。
美しい伊豆の自然に囲まれながら、日本が世界に誇る「本わさび」の魅力を存分に体験してください。きっと、日本の食文化の素晴らしさを再認識する、特別な旅の思い出になることでしょう。
「一度食べたら忘れられない」 - 本わさびを初めて体験した人が必ず口にする言葉です。あなたもその感動を、ぜひ伊豆の清流で体験してください。