
草津温泉で希少な自家源泉を持つ宿を探していて、口コミで評判の「草津館」を選びました。実際に宿泊してみて、ここでしか入浴できない自家源泉「若乃湯」と白旗源泉の2つの異なる温泉を同時に楽しめる贅沢さに感動しました。湯畑前という絶好の立地と家族的な温かいおもてなしで、草津温泉の真髄を味わえる隠れた名宿です。温泉にこだわりのある方や、草津の珍しい源泉を体験したい方には特におすすめしたい宿です。
草津館の基本情報
所在地: 群馬県吾妻郡草津町草津甲419
最寄り駅: JR吾妻線「長野原草津口駅」からバスで約25分
アクセス: 東京から車で約3時間、関越自動車道渋川伊香保ICから約1時間
草津館は草津温泉街の中心部、湯畑の真ん前に位置する老舗温泉旅館です。共同浴場の御座の湯の前、白旗の湯の隣という草津温泉の核心部にあります。この宿の最大の特徴は、自家源泉「若乃湯」を所有していることで、この源泉はここでしか入浴することができません。また、草津最古の源泉とも言われる「白旗源泉」も引湯しており、複数の源泉を楽しめる草津温泉でも大変希少な宿です。
実際の宿泊体験レポート
チェックイン〜客室の印象
草津館に到着すると、湯畑の真ん前という立地の素晴らしさにまず驚きました。伝統的な木造建築の風情ある外観で、草津温泉の情緒を色濃く残しています。女将さんが温かく迎えてくださり、宿の歴史や自家源泉「若乃湯」について詳しく説明してくれました。
客室は和室で、清潔に保たれており家庭的な温かみを感じました。窓からは湯畑や草津の街並みを眺めることができ、湯けむりの香りが部屋まで漂ってきます。Wi-Fiも利用でき、必要なアメニティも揃っています。設備は最新ではありませんが、温泉宿らしい素朴で心地良い雰囲気が印象的でした。
宿泊前には、建物の地下から温泉が湧き出ているという珍しい話も聞かせていただき、まさに草津らしい温泉宿だと感じました。
希少な自家源泉「若乃湯」と白旗源泉の温泉体験
草津館の最大の魅力は、ここでしか入浴できない自家源泉「若乃湯」です。男女別の内湯にそれぞれ2つの湯船があり、大きい方が「若乃湯源泉」、小さい方が「白旗源泉」となっています。
「若乃湯」は青みがかった美しいお湯で、細かな湯花が舞っており、やや白濁して見えますが湯船の底は見える程度の透明度です。硫黄の匂いは控えめで、42度程度の適温でゆっくりと浸かることができます。お湯そのものが青いという珍しい特徴があり、他では体験できない特別な温泉でした。
一方、白旗源泉は白濁しており、硫黄の匂いが強く、より草津らしい温泉です。2つの源泉を比較しながら入浴できるのは、温泉好きには堪らない贅沢な体験でした。どちらも源泉かけ流しで、湯質の違いをはっきりと感じることができます。
浴室は決して広くはありませんが、3〜4名程度が入れる適度なサイズで、他の宿泊客との距離も適度に保たれており、落ち着いて温泉を楽しめました。
心温まる家庭的な食事
夕食は食事処でいただく創作和食で、地元群馬の食材を使った家庭的な味付けが印象的でした。特に上州牛を使った料理は柔らかく絶品で、地元野菜の煮物やこんにゃく料理など、群馬ならではの味覚を楽しむことができました。
量は適度で、年配の方でも完食できるボリュームです。女将さんが料理の説明をしてくださり、食材の産地や調理法についても詳しく教えてくれました。地酒も群馬の銘酒が用意されており、温泉と一緒に群馬の味覚を満喫できます。
朝食は和定食で、地元の味噌を使った味噌汁や手作りの漬物が美味しく、温泉で温まった体に優しい内容でした。草津の名物「花豆」を使った料理も出され、地域の食文化を感じることができました。
アットホームなおもてなしと温泉文化
草津館で最も印象深かったのは、家族経営ならではのアットホームなおもてなしです。女将さんをはじめスタッフの皆さんが気さくで、草津温泉の歴史や周辺の共同浴場について詳しく教えてくれました。
特に印象的だったのは、建物の地下から自然に温泉が湧き出ているという話で、脱衣場の下から35度程度の温泉が流れているのを実際に見ることができました。「どうも、建物の下から温泉が湧いているようです」という宿主の言葉は、まさに草津らしいエピソードでした。
館内は小規模で家庭的な雰囲気が漂い、他の宿泊客との自然な会話も生まれやすい環境です。売店では地元の特産品や手作りの品物が販売されており、お土産選びも楽しめました。
平成8年発足「湯の華会」との関わり
草津館は、平成8年に女将達により発足された「湯の華会」に加盟しており、湯の華会プロデュースのお土産品も数多く手掛けています。中でも「華ゆら化粧品」は看板商品として広く愛されており、草津の温泉成分を活かした美容商品を購入することができます。
周辺観光とアクセス情報
草津館は湯畑の真ん前に位置しているため、草津温泉の観光には最適の立地です。共同浴場の御座の湯は目の前、白旗の湯は隣にあり、草津温泉の湯めぐりを徒歩で楽しむことができます。熱乃湯での湯もみショーも徒歩すぐの距離です。
車でお越しの場合は、白根山や軽井沢への日帰り観光も可能です。宿の前に4台程度の駐車場がありますが、台数が限られているため事前の確認をおすすめします。
電車利用の場合は、長野原草津口駅からJRバス関東で約25分、草津温泉バスターミナルから徒歩約3分です。湯畑という草津温泉の中心部にあるため、電車でも車でもアクセスしやすい立地です。
草津館宿泊時の注意点と持参すべきもの
草津館は歴史ある建物のため、設備は最新ではありません。豪華さを求める方には物足りないかもしれませんが、温泉の質と家庭的なおもてなしを重視する方には最適です。
草津の強酸性温泉は金属製のアクセサリーを変色させる可能性があるため、入浴前には必ず外しましょう。特に自家源泉「若乃湯」は他では体験できない貴重な温泉なので、じっくりと時間をかけて楽しむことをおすすめします。
駐車場の台数が限られているため、車でお越しの場合は事前に空き状況を確認しておくと安心です。また、湯畑前という立地のため、観光シーズンには周辺が非常に混雑することがあります。
冬場の草津は気温が非常に低く、湯畑散策時の防寒対策は重要です。温泉で温まった体が急激に冷えないよう、厚手の上着を持参することをおすすめします。
草津温泉 草津館は、希少な自家源泉「若乃湯」と草津最古の白旗源泉を同時に楽しめる、温泉愛好家には見逃せない宿でした。湯畑前という最高の立地と家族的な温かいおもてなしで、草津温泉の本当の魅力を味わうことができます。他では体験できない特別な温泉を求める方には、心からおすすめしたい隠れた名宿です。