
「一人で入れますか...?」と聞いた恥ずかしい夜
金沢の夜7時。カウンター席しかない寿司店の前で、10分間ウロウロしていました。
「一人で入っても変じゃないかな...」
「断られたらどうしよう...」
結局、勇気が出ずに諦めて、チェーン店のファミレスで夕食。翌朝、宿のオーナーに「昨日どこで食べた?」と聞かれて、「ファミレスです」と答えたら、「もったいない!あそこの寿司屋、最高なのに」と。
私が見ていた寿司店でした。
その日から、私の「一人飯への挑戦」が始まりました。今では一人旅50回以上、一人で入った飲食店は300軒以上。失敗も山ほどしましたが、最高の体験もたくさんしました。
この記事では、私が実際に体験した「一人飯の成功法則」と「やらかした失敗談」を、正直にお伝えします。
なぜ一人飯がこんなに楽しいのか
1. 店主や常連さんと会話できる
私の体験:
京都の小料理屋で、カウンター席に座ったら、隣の常連さんに話しかけられました。
「一人旅?どこから来たの?」
そこから1時間、京都の穴場スポット、美味しい店、祭りの裏話まで、教えてもらいました。その方に紹介してもらった居酒屋3軒、すべて最高でした。
グループ旅行では、絶対に起きなかった出会いです。
2. 自分のペースで食べられる
私の場合:
ラーメンは熱々を一気に食べたい派。でも、友達と行くと「写真撮ろう」「シェアしよう」で、麺が伸びる...。
一人なら、着席→即食べる→10分で退店、も自由。逆に、カフェで2時間ボーッとするのも自由。この自由が、たまらなく心地いい。
3. 「当たり」を引いたときの喜びが倍増
忘れられない体験:
広島で、偶然入ったお好み焼き屋。店主が「ウチ、広島風と関西風、両方できるよ。どっちがいい?」と。
「じゃあ、両方少しずつ!」とお願いしたら、特別に作ってくれました。一人だったから、こんなワガママも聞いてもらえた。
味も最高、店主との会話も最高。一人で見つけた店だから、喜びも倍でした。
私が実践している店探しテクニック
事前リサーチ:出発前にやること
私のルーティン:
旅行の1週間前から、毎晩30分、スマホで店探し。
使うアプリ・サイト:
- 食べログ で「カウンター席あり」「一人OK」検索
- Instagram で「#[地名]グルメ」「#[地名]一人飯」検索
- Google マップ で気になる店を保存
失敗から学んだこと:
最初は「評価が高い店」しか見てませんでした。でも、評価4.5の有名店に行ったら、観光客だらけで1時間待ち。料理は普通...。
今は、**評価3.5〜4.0の「地元の人が書いた口コミが多い店」**を狙います。こっちの方が、圧倒的に当たり率が高い。
保存した店の数:
- 必ず行く店:3軒
- 気になる店:5軒
- 予備:3軒
合計10軒くらい保存しておくと、現地で「今日はラーメン気分」「今日は居酒屋気分」と選べて便利です。
現地での店探し:私の鉄則
1. 宿のスタッフに聞く(成功率80%)
私の質問テンプレート:
「地元の人が通う美味しい店、教えてください。一人でも入りやすい店がいいです」
これ、本当に効きます。
最高だった体験:
札幌のゲストハウスで、スタッフに聞いたら、手書きの地図をくれました。「ここの海鮮丼、マジで美味いから。観光客いないけど」と。
行ってみたら、地元の人ばかり。海鮮丼1,200円。ネタが分厚すぎて、ご飯が見えない。人生で一番美味しい海鮮丼でした。
失敗談:
高級ホテルのコンシェルジュに聞いたら、高級店ばかり紹介されました。1人前8,000円とか、予算オーバー...。
教訓: ビジネスホテルやゲストハウスのスタッフの方が、リアルな情報をくれます。
2. 地元の人が並んでる店に突撃(成功率70%)
私の行動パターン:
昼12時、住宅街のラーメン屋。サラリーマンと主婦が行列。
「これは...当たりだ」
実際、外れたことがほぼありません。
やらかした失敗:
観光地の行列店に並んだら、前にいたのが全員観光客。1時間待って、普通のラーメン(900円)。行列の質を見極めるべきでした。
見分け方:
- 地元の人の行列:作業服、スーツ、エプロン姿の人が多い
- 観光客の行列:スマホで写真撮影、大きなバッグ
3. 商店街の奥の店を狙う(成功率60%)
私の発見:
商店街の入口の店 → 観光客向け
商店街の奥の店 → 地元民向け
最高だった体験:
京都の錦市場、一番奥の定食屋。看板も地味、外観もボロい。でも、中に入ったら満席。
焼き魚定食(800円)を頼んだら、魚がデカすぎて皿からはみ出てる。ご飯おかわり無料。地元のおばちゃんたちに囲まれて食べる定食、最高でした。
失敗談:
「奥の店がいい」と聞いて、商店街の一番奥の奥まで行ったら、完全に住宅街。店、ありませんでした...。
教訓: 商店街の「中盤〜奥」がベスト。一番奥は行き過ぎ。
一人でも入りやすい店の見分け方(私の判断基準)
1. カウンター席がある店(安心度:★★★★★)
私の経験:
カウンター席がある店で、居心地悪かったことはゼロです。
特におすすめ:
- ラーメン屋(カウンターのみの店が多い)
- 寿司屋(職人と会話できる)
- 立ち飲み屋(一人客ばかり)
- 蕎麦屋(カウンターでサクッと食べて退店)
最高だった体験:
東京・新宿のゴールデン街。カウンター5席だけの小さなバー。マスターと常連さん3人と、夜中まで飲みました。
一人だったから、自然に会話に入れた。グループで来てたら、絶対に体験できなかった夜でした。
2. 入口から中が見える店(入りやすさ:★★★★☆)
私の判断基準:
ガラス張りで、中の様子が見える店 → 入りやすい
重厚な扉で、中が見えない店 → 入りにくい
失敗談:
京都で、雰囲気のいい京料理店を見つけて入ろうとしたら、「本日は貸切」の札。中が見えなかったので、気づかずドアを開けてしまい、恥ずかしかった...。
教訓: 中が見えない店は、入る前に営業状況を確認する。
3. すでに一人客がいる店(安心度:★★★★★)
私の必勝パターン:
店の前で中をチラ見 → カウンターに一人客がいる → 「よし、入れる」
一人客が複数いる店は、100%一人客歓迎の店です。
最高だった体験:
大阪の串カツ屋。カウンター席に一人客が3人。私も入って4人に。
気づいたら、4人で会話してました。「おすすめの串、何?」「タレの二度づけ、絶対ダメだよ」と。一人旅同士の連帯感、最高でした。
地域別・私のおすすめ一人飯スポット
東京:新宿・思い出横丁
なぜここ?
カウンター席のみの小さな店がズラリ。一人客ばかりで、入りやすい。
私のおすすめ:
焼き鳥屋のカウンターで、ビール+焼き鳥5本(合計1,500円)。隣の人と「どの串が美味しい?」と会話が始まるのが、ここの魅力。
失敗談:
人気店に19時に行ったら、満席で入れず。18時か20時以降が狙い目です。
大阪:新世界・通天閣エリア
なぜここ?
串カツ屋がカウンター席中心。一人客が多くて入りやすい。
私のおすすめ:
「だるま」という串カツ屋。カウンターで、おばちゃんに「初めて?タレの二度づけ禁止やで〜」と教えてもらいました。
串カツ10本+ビール(合計1,800円)で大満足。
やらかした失敗:
調子に乗って20本食べたら、胃もたれ...。10本がベストです。
京都:先斗町
なぜここ?
京都らしい雰囲気の店が多い。カウンター席の小料理屋が狙い目。
私のおすすめ:
先斗町の奥の小料理屋。カウンター席で、女将さんと会話しながら、おばんざい(京都の惣菜)を食べる。
予算は3,000円〜4,000円と少し高めですが、京都らしい体験ができます。
失敗談:
予約なしで行ったら、「本日満席」。人気店は予約必須です。
札幌:すすきの
なぜここ?
海鮮居酒屋が多く、一人客にも優しい。
私のおすすめ:
立ち飲み屋で、生ガキ+日本酒(合計1,000円)。新鮮すぎて、今まで食べたガキは何だったのか...と衝撃を受けました。
失敗談:
生ガキを5個食べたら、お腹を壊しました。新鮮でも、食べ過ぎ注意。
広島:お好み焼き店
なぜここ?
鉄板を囲むカウンター席が多い。一人でも自然。
私のおすすめ:
「みっちゃん総本店」のカウンター席。目の前で焼く過程を見ながら、出来立てを食べる。
お好み焼き1枚(900円)で、大満足。
失敗談:
「大盛り」を注文したら、量が多すぎて食べきれず...。普通サイズで十分です。
一人飯での注文・マナー(私が学んだこと)
1. 最初は控えめに注文
私の失敗:
初めての店で、テンション上がって5品注文。食べきれず、残してしまいました。店主に申し訳ない...。
今のルール:
- 最初は2品まで
- 美味しかったら追加注文
- 食べきれる量だけ
追加注文のタイミング:
「他に何かおすすめありますか?」と聞くと、店主が「今日はこれが美味しいよ」と教えてくれます。これが一番美味しい。
2. 混雑時は長居しない
私のルール:
ランチタイムは1時間以内。ディナーは2時間以内。
失敗談:
京都のラーメン屋で、食べ終わったのにスマホをいじって30分粘ってたら、店主に「お客様、お済みですか?」と。外に行列ができてました...。
教訓: 食べ終わったら、速やかに退店。後ろめたさゼロで、次も来られます。
3. 店員との距離感
私の経験則:
- 忙しそうな時:必要最小限の会話
- 暇そうな時:「このメニュー、どんな味ですか?」と質問
- フレンドリーな店主:積極的に会話
最高だった体験:
金沢の寿司屋で、店主に「今日のネタ、何がおすすめ?」と聞いたら、10分間、魚の解説をしてくれました。寿司の味だけでなく、知識も得られて、すごく満足。
失敗談:
忙しい店で、店主に長々と話しかけて、明らかに迷惑そうな顔をされました...。空気を読むの、大事です。
絶対に避けるべき店(私の失敗から学んだこと)
1. 客引きがしつこい店(失敗率:90%)
私の失敗:
「兄ちゃん、美味しいよ!安いよ!」と引っ張られて入った居酒屋。
料理は冷凍食品チンしただけ。ビール1杯800円(近所のコンビニは200円)。ぼったくりでした。
教訓: 客引きする店は、100%避ける。
2. メニューが多すぎる店(当たり率:30%)
私の発見:
和食・洋食・中華・イタリアン、全部ある店 → 専門性がない → 味も微妙
失敗談:
観光地のレストラン、メニューが30ページ。何でもある。でも、何を食べても普通...。
今の基準:
メニューが少ない専門店を選ぶ。「うちはラーメンしかない」みたいな店の方が、圧倒的に美味しい。
3. 観光地のど真ん中の店(当たり率:20%)
私の失敗:
浅草の雷門の目の前の店。天丼2,800円。普通の味...。
近くの路地裏の店なら、同じ天丼が1,200円で、しかも美味しかったのに。
教訓: 観光地から徒歩5分離れるだけで、価格も味も全然違う。
予算別・私のおすすめ戦略
低予算(1食1,000円以下)
私の選択肢:
- 駅の立ち食いそば - 速い、安い、美味い(400円)
- 市場の食堂 - 海鮮丼が1,000円で食べられる
- 定食屋のランチ - ご飯おかわり無料(700円)
最高だった体験:
築地市場の海鮮丼(1,000円)。ネタが10種類以上。ランチでこの満足度、コスパ最強でした。
中予算(1食2,000〜3,000円)
私の選択肢:
- 専門店 - ラーメン、蕎麦、うなぎなど
- 居酒屋 - 刺身+焼き物+ビール
- 高級店のランチ - 夜なら5,000円の店が、ランチ2,000円
最高だった体験:
京都の天ぷら屋、ランチコース2,500円。夜なら8,000円の店。揚げたて、サクサク、最高でした。
高予算(1食5,000円以上)
私の選択肢:
- カウンター席の寿司屋 - 職人と会話しながら、特上寿司
- 鉄板焼き - 目の前で焼く、ライブ感
- 地域の名店 - その土地でしか食べられない料理
最高だった体験:
金沢の寿司屋、カウンターでおまかせ(8,000円)。店主が「これ、今朝獲れたノドグロ」と。人生最高の寿司でした。
一人だったから、店主と1対1で会話できた。この体験、プライスレス。
一人飯で人生が変わった話
出会い:福岡の屋台
博多の屋台で、隣に座った人が「一人旅?」と話しかけてくれました。
その人、地元の人で、「明日、時間ある?案内するよ」と。
翌日、その人に福岡の穴場スポットを5時間かけて案内してもらいました。観光ガイドには絶対載ってない場所ばかり。
今でもSNSで繋がっていて、「また福岡来てよ」と言ってくれます。
一人飯じゃなかったら、絶対に起きなかった出会いです。
学び:金沢の寿司屋
カウンターで寿司を食べながら、店主に「なぜ寿司職人になったんですか?」と聞きました。
「親父がずっとこの店やっててさ。最初は継ぎたくなかったんだよ。でも、客の笑顔見てたら、やっぱこの仕事いいなって」
その言葉、すごく心に響きました。
一人旅の一人飯だからこそ、こんな深い話ができる。
自信:一人で入れなかった私が、今では余裕で入れる
最初は、「一人で入れますか?」と聞いてた私。
今では、「一人なんですけど、カウンター空いてますか?」と堂々と入れます。
一人飯を繰り返すうちに、自信がついた。
これ、旅だけじゃなく、日常生活でも活きてます。一人で行動するのが、全然怖くなくなりました。
まとめ:一人飯は、旅の最高の思い出になる
一人旅を50回以上した私が断言します。
一人飯での出会い、会話、美味しい料理。これらが、旅の一番の思い出になります。
観光地を見るより、一人飯での体験の方が、記憶に残ってます。
最初は怖いかもしれません。でも、勇気を出して一歩踏み出せば、そこには最高の体験が待っています。
「一人で入れますか?」と聞く必要はありません。
堂々と入って、カウンター席に座って、美味しいものを食べてください。
それだけで、あなたの一人旅は、何倍も楽しくなります。
この記事は、私が実際に一人飯を300回以上体験した中から、本当に役立った情報を厳選しています。